COLUMN

記事医療広告ガイドラインに沿った
クリニックのホームページ:
公開前に確かめる10のこと

クリニックのホームページは、医療法の「広告」として規制の対象です。厚生労働省の「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」(医療広告等ガイドライン)には、禁止される表現と、ホームページで詳しい情報を載せるための条件が定められています。

ホームページをつくるときや文面を直すときに確かめたい10のことを、指針の記述に沿ってまとめました。

1. ホームページも「広告」に当たる

医療機関のウェブサイトは、かつては業界の自主的な取り組みに委ねられていました。平成29年の医療法改正で他の広告媒体と同じく規制の対象になり、虚偽や誇大な表示には是正命令や罰則が及びます。

院のホームページ、検索広告、SNSの公式アカウント、院が費用を負担して載せた記事は、患者さんを院へ誘う性質があり、院を特定できるため、広告として扱われます。院内の掲示物は、指針では広告と見なされていません。

2. 虚偽・比較優良・誇大・公序良俗に反する表現

指針が禁止する広告は、事実と異なる「虚偽広告」、他の医療機関より優れていると示す「比較優良広告」、事実を不当に誇張する「誇大広告」、公序良俗に反する広告の4つです。

指針の具体例には、「絶対安全な手術です」「必ず成功します」(虚偽)、「県内一の医師数」「日本有数の実績」(比較優良)、「比較的安全な手術です」「○%の満足度」で根拠や調査方法の示されていないもの(誇大・虚偽)が挙がっています。本文だけでなく、見出しやボタンの文言まで読み直します。

3. 体験談と、治療前後の写真の条件

患者さんの主観や伝聞にもとづく、治療の内容や効果についての体験談は、広告として載せられません。内容が広告できる範囲に収まっていても、同じです。

いわゆるビフォーアフター写真も、患者さんを誤認させるおそれがあるものは載せられません。載せる場合は、通常必要とされる治療の内容と費用、主なリスクや副作用の説明を写真に添えます。説明をリンク先に置いたり、極端に小さな文字にしたりする形は認められていません。加工や修正をした写真は虚偽広告になります。

4. 限定解除の4つの要件

広告できる事項は法律と告示で限られていますが、次の4つをすべて満たすと限定が解除され、詳しい診療内容も載せられます。③と④は、自由診療の情報を載せる場合に求められます。

  • ① 患者さんが自ら求めて入手する情報であること(ホームページやメールマガジンなど。バナー広告や検索連動の広告は該当しない)
  • ② 問い合わせ先(電話番号やメールアドレスなど)を明示し、内容を容易に照会できること
  • ③ 自由診療について、通常必要とされる治療の内容、標準的な費用、治療の期間と回数を載せること
  • ④ 自由診療について、主なリスクや副作用を載せること

5. 口コミの扱い

第三者が運営する口コミサイトやSNSの個人の投稿に書かれた体験談は、院が費用の負担などの便宜を図って掲載を依頼していなければ、院の広告には当たりません。

逆に、院が謝礼を渡して書いてもらった口コミや、院のホームページに転載した口コミは、体験談の広告として扱われます。口コミサイトの評価を根拠に「地域で高評価」と書くことも、比較優良広告と判断されるおそれがあります。口コミは患者さんご自身の言葉に任せる形が確実です。

6. 「No.1」「最新」などの言葉

「日本一」「No.1」「最高」のような最上級の表現は、客観的な事実であっても比較優良広告として禁止されています。優れている旨を書くときは、求められたら裏付けとなる根拠を示して実証できることが必要で、調査結果を引用する場合は出典、調査の主体、範囲、時期を併記します。

「最新」も同じ考え方で点検します。いつの時点で、何と比べて新しいのかが言えない表現は、誇大広告と判断されるおそれがあります。発売や承認の年のような事実に置き換えると、根拠を示しやすくなります。

7. 自由診療の費用の示し方

自由診療の内容と費用は医療機関ごとに大きく異なるため、治療の名称と最低限の費用だけを示す形は認められていません。通常必要とされる治療の内容、標準的な費用、期間と回数を分かりやすい場所に載せます。標準的な費用が定めにくい場合は、発生しやすい追加費用を含めた最低額から最高額までの範囲を示します。

「今なら○円」「期間限定で○%オフ」のように費用を強調する表現は、品位を損ねる広告として慎むよう求められています。

8. 医師名と資格の書き方

医師の経歴として広告できるのは、出身校、学位、免許の取得日、勤務した医療機関など、客観的に確認できる事実です。研修歴は含まれていません。

専門医などの資格は、日本専門医機構が認定する基本領域の資格と、厚生労働省に届け出た学会の資格に限って広告できます。表記は「○○学会認定○○専門医」のように、認定した団体名とあわせて書きます。「厚生労働省認定○○専門医」は虚偽広告、活動の実態がない団体の認定医は誇大広告として扱われます。

9. 更新のたびに読み直す

指針は、医師数のように時点で変わる情報を、実態に合わせて随時更新するよう求めています。公開時に適切だった文面も、医師の交代、料金の改定、学会の資格の更新で、事実と合わなくなることがあります。

ページを足すときは、同じ内容を書いている他のページも見直します。指針そのものも改正されます。この記事のもとになった指針は令和8年3月30日の最終改正版で、厚生労働省のページで現行版を確かめます。

10. 迷ったときの相談先

医療広告の相談窓口は、都道府県、保健所を設置する市、特別区に置かれています。医療安全支援センターや保健所の医療法の担当部署が窓口になることが多く、厚生労働省のページに「医療広告相談窓口一覧」があります。同じページから、指針の全文と「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」も読めます。

表現に迷ったときは、公開前に院を所管する自治体の窓口へ確かめるのが確実です。最終の文面には、院長ご自身が目を通すことをおすすめします。

参考:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」(医療広告等ガイドライン・令和8年3月30日最終改正)/医療法における病院等の広告規制について

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